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和歌山市エリア, 万葉故地

形見の浦(一説)

紀伊国における南海道の西の終着点は加太でした。万葉びとはこの地において、憧れの海!を見ます。四方に海のない世界に住む、大和の万葉びとにとって、海は未知の世界でした。

藻刈り舟 沖漕ぎ来らし 妹が島
形見の浦に 鶴翔る見ゆ

妹が島は「友ヶ島」のことと考えられます。形見の浦は所在が分かりませんが、歌の表現からすれば友ヶ島内のどこかの浦を言ったのでしょう。「形」が「潟」を意味するとすれば、現在の加太(潟)とも強く関わっているでしょう。
沖合から近づいてくる舟を警戒して、鶴は友ヶ島の上を大きくゆったりと旋回しています。岸辺に立つ作者は、鶴の動きをみて、藻刈り舟が島に近づいていることを想っているのです。広々とした海と空と島と鶴と、大和からの旅人には見飽きることのない眺めでした。

 平成29・30年度文化庁文化芸術振興費補助金

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